Monday 13 October 2025
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huffingtonpost - 4 days ago

摂食障害になるのは若者だけじゃない。更年期に発症する人も...。その背景とは

更年期や男性更年期におけるホルモン変化が、人生の後半で摂食障害を引き起こす大きな要因になるアメリカでは、生涯のうちに摂食障害と診断される人がおよそ2880万人にのぼると推定されており、最もリスクが高いのは依然として女性だ。拒食症や過食症などの摂食障害は、若年女性に多いというイメージがあるが、中年期に新たに発症したり、再発したりするケースも珍しくない。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の2019年の研究によると、治療を受けた人の約50%が再発を経験している。ネット上では、更年期(もしくは更年期前)に摂食障害を発症する傾向は、「menopause(更年期)」と「anorexia(拒食症)」を組み合わせた造語「メノレキシア(menorexia)」と呼ばれることもある。米摂食障害治療センターRenfrew Centerの臨床アウトリーチおよび教育ディレクターで心理学者のサマンサ・デカロ氏は、こうした成人期に発症する摂食障害は研究や治療現場で過小評価されており、問題の実態把握に深刻なギャップがあると指摘する。「中年期の患者も若い患者と同じ診断基準を満たしており、食事制限、過食、嘔吐といった症状に苦しんでいます」とデカロ氏は述べる。「違いは、更年期、離婚、子どもの独立、慢性疾患、身体の変化、そして年齢差別的な社会の中での老いなど、体への不満や摂食障害を引き起こしたり悪化させたりする特有の人生の転換期です」と彼女は言う。デカロ氏によれば、中年期に摂食障害を抱える人々の多くは、問題の根を数十年前にさかのぼることもあると言う。思春期から食べ物や身体イメージに関する問題を抱えており、中年期になり初めて臨床的な摂食障害へと進行する人もいるが、それまでは自分の体に比較的満足していた人に新たに起こる場合もあるという。あらゆる年齢層を対象にしたバーチャル摂食障害治療プラットフォーム「Equip」の共同設立者で主任臨床責任者のエリン・パークス氏によると、同社の成人患者のうち25%が中年層(40~65歳)に該当するという。同社は2025年初め、40歳以上の成人1000人以上を対象に調査を実施し、この層をより深く理解しようとした。その結果、35%の女性が「中年期に初めて摂食障害的な行動をとるようになった」と回答した。つまり、まったく新たに発症したということだ。「摂食障害と聞いて一般的に思い浮かべるイメージと違うため、多くの中年期の摂食障害は見逃されていると思います」とパークス氏はハフポストに語る。「というのも、痩せることを健康と同一視する“ダイエット文化”があまりにも日常化しているため、食事を抜くこと、過度な運動、制限的な食事(インターミッテント・ファスティングなどのトレンドも含む)といった行動が『ウェルネス』の一部として隠れてしまうのです」と述べた。女性に多いとはいえ、男性も無縁ではないとパークス氏は言う。「39%の男性が、年を重ねるにつれて自分の体に対する満足度が低下したと感じている。でも中年男性の摂食障害症状はさらに見過ごされやすく、別の原因と誤解されることが多いのです」パークス氏によると、更年期や男性更年期におけるホルモン変化が、人生の後半で摂食障害を引き起こす大きな要因になる。女性では、更年期にエストロゲンが約60%減少し、プロゲステロンの分泌はほぼ停止する。「その結果、体重増加や気分の浮き沈み、自分の体をコントロールできない感覚など、”問題の嵐”が生じるのです」と説明する。男性もまた独自の困難を抱える。25歳以降、テストステロンは毎年約1%ずつ減少し、中年期にはそのペースが加速するため、腹部脂肪の増加、筋肉量の減少、エネルギーの低下などが起こるという。また、医師の何気ない言葉が引き金になる場合もある。高脂血症や高血圧、高血糖などの治療として「減量」に過度に焦点を当てる医師が、患者を摂食障害的な行動へと追い込むことがあるのだ。ロサンゼルスの「Eating Disorder Therapy LA」代表で心理学者のローレン・マルハイム氏は、中年期のクライアントの多くが「病気を治したい、あるいは予防したい」という目的でダイエットに取り組んでいると述べる。「しかし、ダイエットや運動が摂食障害を引き起こすこともあり、減量以外にも健康問題への対処法はあります」とマルハイム氏は話す。そして言うまでもなく、私たちは“痩せ”だけでなく“若さ”を称賛する文化の中に生きている。これは「中年期の人々にとって二重の呪縛だ」とデカロ氏は指摘する。最終的に、摂食障害は1つの要因で引き起こされるものではない。「人生の脆弱な時期に、さまざまなリスク要因が重なって発症します。中年期の場合、それは更年期、外見の変化、慢性的な痛み、喪失感、年齢差別の痛みなどが含まれます」とデカロ氏は述べる。もし中年期に摂食障害の兆候を感じたらデカロ氏は、摂食障害は食べ物や体重の問題だけではないと指摘し、「摂食障害は感情的な障害でもあり、治療は『何を食べるか』以上のものです」と語る。「回復の過程で多くの人が自分自身を取り戻し、真の欲求や価値観に気づいていきます」以下はあくまで一部にすぎないが、摂食障害を発症しているのではないかと不安を感じている人のために、デカロ氏と他の専門家にアドバイスを聞いた。・体が変化するのは自然なことだと認める体の変化に過剰にこだわっていると感じたら、若い頃の自分や他人と比べるのではなく、「これまで体が自分に何を経験させてくれたか」に目を向けるように、とマルハイム氏は勧める。「特にホルモンが変化する時期に体が変わるのは自然なことで、体や食べ物に過剰に執着することこそ不健康です。それは心のエネルギーを奪い、人生を生きる妨げになります」・専門的なケアを求める摂食障害は深刻で命に関わる可能性のある疾患であり、専門的な治療が必要だとデカロ氏は説明。もし苦しんでいるなら、医療・心理の両面から適切なレベルのケアを受けられるよう、専門家に相談してほしいと勧めた。体重にとらわれない治療を行うセラピストや栄養士の支援も有効だ。仕事や家庭との両立が必要な中年層にとっては、オンライン治療も効果的だ。・1人で抱え込まない摂食障害は孤立の中で悪化するが、他者とのつながりは回復の強力な手段であるとデカロ氏は言う。「オンラインや対面のサポートグループに参加したり、回復を語るポッドキャストや体験記を読むことで、自分が孤独ではないと感じられます」・ダイエット文化の誘惑に耳を貸さない「『若返る』『昔の体を取り戻す』といったメッセージを発信するダイエット文化には注意が必要」とパークス氏は警告する。残念ながら、そうしたメッセージは今の社会ではあまりにも一般的になっています。でも、それらは人生の変化期にある人々を特に傷つけやすいもの。私たちは“老いる身体を最新ダイエットで管理する”という発想から、“自然な変化を思いやりをもって支える”という方向へ、文化的な会話を転換する必要があります」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。Related...痩せ薬と摂食障害。当事者を悩ます「注射1本で痩せられる」という魅力「AIサイコーシス(精神病)」とは?AIが身近になった今の時代に増加中。その兆候は?過剰な筋トレや食事制限... 筋肉醜形障害「ビゴレキシア」の兆候とは...クリックして全文を読む


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